cataloggift2208
142/271

樺とは野生の山桜の樹皮のことで、江戸時代中期に山桜の皮を利用した細工の技術が、18世紀末に佐竹北家によって秋田県北部の阿仁地方から角館に伝えられたのが始まりとされています。古くは桜の樹皮(桜皮)を「かには」と呼び、正倉院の御物や、筆、弓、刀の鞘などに用いられていました。藩政期には武士たちの内職として印籠、眼鏡入れ、胴乱などが作られていましたが、明治期になると禄を失った武士たちが樺細工に本業として取り組むようになり、新製品の開発や市場開拓を進めました。大正期には秋田県の特産品として中央の博覧会にも出品され、昭和51年に秋田県で初めての国の「伝統的工芸品」に指定されました。樺細工は一属一種の世界に類例のない工芸品であり、自然素材の美しさ、温かさによって広く愛されています。山桜の樹皮を薄く削りコテで木地に張りつけてつくられる樺細工は世界でも類のない樹皮工芸と言われ、用いられる技術・工法は大きく「型もの」「木地もの」「たたみもの」「文様付け」経木と樹皮を巻き、熱した金ゴテでおさえながら貼り合わせる「型もの」は、茶筒のように筒型の製品を作る技法です。「木地もの」は、重箱や文庫、飾り棚など箱ものを作る技法の4つに分類され円柱の木型にで、下地となる木に樹皮を貼ってゆきます。「たたみもの」は、磨いた樹皮を何枚も重ね貼りしてブロック状にした後に彫刻して造形する技法です。茶筒などの他製品に模様をつける「文様付け」。これらの技術を用いて生み出された樺細工は、「日本の樹である桜が皮として使われる、日本固有のものである」と近代民芸運動の先駆者・柳宗悦氏によって国際的視野から評価されています。武士が育んだ伝統工芸・樺細工桜の樹皮の美しさを活かす細工技術匠の逸品SpecialWAZAWAZA2取り入れたい、使い勝手の良い暮らし道具「日本のいいもの」を暮らしの中に

元のページ  ../index.html#142

このブックを見る