2024メモリアル
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葬儀後の知識と心得※内容については概略を記述しております。なお、法改正により変更になることがありますので、ご確認下さい。 突然の悲しみの中で営まなければならなかった葬儀が終わった後にも、さまざまな雑務があります。いつまでも世話役やお手伝いの人に任せきりにしておくわけにもいかず、それらの雑務は遺族が処理しなければなりません。どんな雑務があり、どう処理するかについて、ポイントを説明します。手早くすませなければならないこともありますので、ミスや失礼をなくすために、お役立てください。 故人の資産を配偶者や子、親族などが受け継ぐことを「遺産相続」といいます。遺産相続が法律で認められるのは、資産を築いたのは故人一人ではなく、家族や親族の協力によったものだとの考え方が基本になっています。ですから資産は、遺族の生活を維持していくためと同時に故人に対する債務権を継続させるために相続されるのです。具体的にいうと、一家の生計の中心者 遺産をだれに相続するのかは法律で定められており、相続権のある人を法定相続人といいます。また、法定相続人の順位や、相続する割合も法定相続分として法律で定められています。 法律上の相続人たる権利は、配偶者が最優先されます。つまり、どんな場合にも配偶者は相続人となれるということですが、内縁関係は法律で配偶者と認められませんから、相続人の権利も認められません。相続の割合については配偶者が優先されますが、いつもすべて相続できるわけではありません。 相続の割合は①配偶者と子どもがいれば配偶者が2分の1、子どもが2分の1となり、子どもが複数ならそれを均等に分けます。②子どもはいないが親がいる場合は配偶者が3分の2、親が3分の1となります。③子どもも親もいないが兄弟姉妹がいれば配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1を均等に分けるように法律で定められています。 配偶者がいない場合には、法定相続人の順位と法定相続分によります。順位は第1順位の該当者がいなければ第2順位に、第1、第2順位の該当者がいなけれは第3順位に相続権が移ります。 第1順位は被相続人の子です。ただし子どもが死亡していたり欠落などで相続権がない場合はその子つまり孫、孫も同じような状況にある場合は曽孫になります。第2順位は被相続人の直系尊属=父母、祖父母、曽祖父母、第3順位が被相続人の兄弟姉妹、その子となります。もし、第3順位までもすべてに該当者が存在していないときは、民法第959条によって故人の財産は国庫に編入されます。が死亡したことで財産を消滅し、遺族が路頭に迷うことになったり、金を貸していた人が返してもらえなくなったというような、不合理をなくすためです。このように相続とはきわめて現実的な問題で、ときとして人間関係を破綻させることさえあります。そうした事態に陥らないためにも、相続について正しい基礎知識を持つことが必要なのです。 相続財産には故人のすべての資産、権利、義務、債務が含まれるのが原則ですが、対象とならないものもあります。 祭祀財産(墓地、墓石、仏壇、祭具など)は故人が残した場合でも相続財産とみなされません。また、宗教活動に使われた財産も相続税は免除されます。 香典、弔慰金も相続財産とみなされません。サラリーマンの死亡退職金は、法定相続人1人につき500万円までは非課税ですが、弔慰金のかたちでもらえば相続税はかかりません。ただし、弔慰金の支給は一般に死亡当時基本給の半年分までとされています。 このほか、民法で決められた被相続人の身に専属した生活保障の権利、身元保証人の義務などの権利や義務は相続の対象になりません。 遺族年金を受ける権利も相続の対象になりませんが、生命保険の保険金は税務でみなし相続財産とされ、法定相続人1人につき500万円を越えた分に相続税が課せられます。 法定相続人と認められれば、どんな場合にも相続できるというわけではありません。被相続者に対して非行を犯した者は、民法で規定された相続欠落に該当するものとして相続人の権利、地位を失います。●配偶者の相続権は常に優先される●配偶者がいない場合の順位相続人の順位相続の対象にならない財産相続する権利、地位が消滅する場合● 相続の基礎知識142葬儀後の諸手続き

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