2024メモリアル
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葬儀後の知識と心得 加入していた者が年金を受給せずに死亡したときに「死亡一時金」が支給されます。また、18歳未満の子と生活している遺族には「遺族基礎年金」が支給されるほか、60歳以上の妻に「寡婦年金」などが支給されます。年金の裁定請求手続きは、住所地の市区町村役場年金保険課で行います。支給金額はスライド制で毎年変わりますので、担当員に確認するのがよいでしょう。●死亡一時金 死亡一時金は、被保険者が最低3年以上保険料を納めていて、年金を受けずに死亡した場合に、その収入で生計を立てていた遺族に対して支給されます。支給額は保険料を納めた期間の長さによって異なります。●請求書の作成と提出書類 請求書に所定の項目を書き込んで、必要書類を添付して提出します。書式は会社により多少異なりますが、記入する事項や内容は各社ともほぼ同じです。とくに面倒なものではありませんが、不明な点や特約については専門の担当営業員に相談するとよいでしょう。●遺族基礎年金 夫と死別して18歳未満(身障者の場合は20歳未満)の子と暮らしており、夫死亡日までの最近1年間以上保険料を納めている妻に対して支給されます。被保険者で死亡時までに1年間以上保険料を納めていた両親を失った18歳未満(身障者は20歳未満)の子にも遺族基礎年金が支給されます。 被保険者が死亡したとき、埋葬を行う者に「埋葬料」、被扶養者が死亡したときに「家族埋葬料」が被保険者に支給されます。受給資格は被保険者資格を 失ってから3か月間継続されますから、定年退職や失業によって被保険者としての資格を失っていてもこの期間内に死亡した場合は受給することがで きます。また、高額医療費の補助もあります。手続きは、一般に故人の勤務先で代行する例が多いようですから、勤務先に問い合わせてください。直接申請 する場合は社会保険事務所で手続きします。請求期限はいずれも2年間です。 国家公務員共済組合、地方公務員等共済組合、私立学校教員共済組合、公共企業体共済組合、農林漁業団体共済組合、船員保険等の各共済組合からは共済年金が支給されます。基本的な制度は厚生年金とほぼ同じですが、細部の規約にはそれぞれに差があります。一般に勤務先で手続きする場合は各事務所へ問い合わせてください。●保険金の支払い 保険金は通常、提出した請求書と書類を生命保険会社が受理してから、だいたい5日以内に支払われます。支払は銀行口座振込、郵便為替、小切手など、受取人の指定にもとづいて行われます。●寡婦年金 老齢基礎年金(25年以上保険料を納めて、65歳になったときに支給)を受ける資格のある夫がこれを受けずに死亡したとき、10年以上継続して婚姻関係にあり、生計維持されていた妻が受けることができます。※内容については概略を記述しております。なお、法改正により変更になることがありますので、ご確認下さい。 万一に備えるのが保険ですから、不幸にもその万一に襲われた場合にこそ保険を活用します。故人がどんな保険に加入していたかをよく調べて確認します。勤務先で一括加入の「団体生命保険」や個人加入で掛け捨ての「簡易保険」などの支払金や給付金の請求手続きはなるべく早い時期にすませることが、トラブルを防ぐことにもなります。 被保険者が死亡したときに「葬祭費」が支給されます。請求は住所地の市区町村役場年金保険課で行い、支給される葬祭料は市区町村によって多少異なります。請求期限は2年間です。 故人が病気で死亡した場合、自己負担の医療費が高額医療費と認められれば補助されます。 国民年金や厚生年金、各種の共済組合などの制度に加入している生計の中心者が死亡した場合、その収入で生活していた遺族に一時金が支給されます。制度によって細部規定が異なりますので、所管の事務所に相談して申請するとよいでしょう。請求期限は国民年金で2年間、厚生年金で5年間ですが、早めに手続きします。また、個人年金にも遺族年金や死亡一時金が支給されるものがあります。 厚生年金保険に加入していて保険料を6ケ月以上納めている被保険者が死亡したときに、遺族に「遺族年金」が支給されます。申請は故人の勤務先で代行する場合がほとんどですが、直接行なう場合は所轄の社会保険事務所へ申請します。支給額は被保険者の基本年金額のほぼ半額でスライド制で毎年支給額は変わります。保険金の受取人は、2か月以内に生命保険会社に生命保険の請求をすることが必要です。●保険会社への連絡 故人が死亡時に保険料を納付していたことを確認したうえで、「被保険者の氏名」「保険証番号」「死亡年月日」「死因」をはっきりと告げます。連絡は生命保険会社の本支社、営業所へ文書通信または電話でかまいません。折り返し「死亡保険金請求書」が送られてきます。生命保険国民健康保険国民年金厚生年金社会保険共済年金● 保 険● 年 金143

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